TECHNICAL INFORMATION / BEARING REGREASING
0.005DB式だけでは決まらない ベアリングの「適正グリース給脂量」
G=0.005×D×Bは、再給脂量を考えるための出発点です。UE Systemsの超音波測定で給脂中のdBと音質を連続監視し、実機の油膜状態に合わせて「必要な量で止める」考え方を整理します。
計算値を上限・正解とせず、軸受の反応で実機補正する。
0.005DB式で基準再給脂量を把握し、実吐出量、dB・音質・温度、過去履歴を重ねて設備固有の給脂標準へ進めます。
01 / INPUT QUANTITY AND EFFECTIVE QUANTITY
グリスガンから出た量と、軸受で有効に働く量は同じではありません。
カタログ式で求めた量を注入しても、給脂経路の長さ、配管内の残留、シール構造、排出性、既存グリースの状態、回転数や荷重によって、転動面へ到達して有効に働く量は変わります。「何g入れたか」だけでなく、「入れたとき軸受がどう反応したか」を同時に確認します。
ストローク数や計量値で管理できる量。作業記録には必要ですが、転動面に届いた量を直接示すものではありません。
摩擦音、dB、温度などの反応で確認する量。過少給脂と過剰給脂の双方を避ける判断基準になります。
計算式は出発点。実機反応と履歴を重ね、設備ごとの給脂標準へ補正します。
02 / STARTING POINT
0.005DB式は「基準再給脂量」を求める式
0.005DB式は、何も基準がない状態から再給脂量を考えるための有効な出発点です。最終的な適正量は、設備条件と運転中の反応で補正します。
電子秤で普段の操作条件の10回吐出量を量り、10で割って1回量を登録します。一般的な400g手動ガンの約0.9g/フルストロークは仮置きに留め、実測値を正式値とします。
G = 0.005 × D × B
G:基準再給脂量(g) D:軸受外径(mm) B:軸受幅(mm)
式だけでは反映しきれない条件
回転数、荷重、温度、運転時間、配管、シール構造、既存グリース、環境中の水分・粉塵など。
DBとdBは別の意味
0.005DB式のDBはD×B。UE Systemsの測定値dBは超音波レベルを表します。
03 / THREE LEVELS
給脂量は、3つの段階を分けて管理する。
計算値・その時点の実機適正量・設備固有の継続管理値を混同せず、順に精度を高めます。
0.005DB式などから算出する計算値。初回計画の出発点として使います。
給脂中のdB・音質・温度変化から、その時点の軸受に必要な量を決めます。
複数回の給脂実績と状態監視履歴から、対象設備専用の管理値へ育てます。
04 / UE SYSTEMS LIVE GREASING
給脂中の超音波反応を見ながら、必要な量で止める。
UE Systemsは、振動が顕在化する前段階の高周波摩擦・衝撃信号を可聴化・数値化します。少量ずつ給脂しながらdBと音質の変化を追い、過少給脂と入れ過ぎによる攪拌抵抗・発熱の双方を避けます。
同一測定点・同一感度でベースラインdBと音質を記録します。
一度にまとめて入れず、少量ごとに反応を待ちます。
摩擦音の低下、滑らかさ、突発音の変化を同時に確認します。
dBが基準域へ戻る、または低下が止まった時点で給脂を止めます。
総吐出量、前後dB、音質、温度、運転条件を履歴化します。
給脂後も改善しない場合は、損傷・異物・取付・芯出しなど追加診断を検討します。
05 / STANDARDIZATION
3〜5回の給脂イベントを重ね、設備固有の標準値へ。
1回だけの測定では、季節・負荷・運転条件の影響を切り分けにくい場合があります。同じ設備、同じ測定点、同じ感度で給脂前後を記録し、傾向を比較できる状態にします。
初期は月次程度で確認し、概ね6か月を実務上の観察目安にします。変化が大きい設備は間隔を短縮します。
設備・軸受ID、日時、回転数・負荷、給脂前後dB、音質、温度、総吐出量、グリース銘柄、次回確認日。
計算と測定を対立させず、計算値を現場の反応と履歴で補正していきます。
※月次・約6か月は標準化のための実務的な参考例であり、メーカーの一律固定基準ではありません。設備の重要度、運転条件、変化速度に応じて調整します。
06 / TECHNICAL NOTE & CONSULTATION
技術メモPDFと、設備ごとの給脂標準づくり
対象軸受、台数、巡回頻度、現在の給脂方法を伺い、測定点の設定、デモ測定、記録様式、設備固有の管理基準づくりまで支援します。
0.005DB式、実吐出量、UE Systemsによる実機補正、設備固有基準の作り方を4ページにまとめています。
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